Cross Between.

「自転車」といってもロードバイクもあればMTBもあります。
簡潔にその交配種であるのが「クロスバイク」。

クロスバイクというと通勤で最も人気の車種です。
MTBベースのフレームにフラットハンドル、スリックタイヤ。

そして今回の自転車はクロスバイクとは異なる"CROSS"バイク。
シクロクロスバイク」です。
もともとは泥詰まりに強いカンチブレーキが主流です。
軽くて泥づまりはし難いけれど、効きはそれほど無いと言えます。
(過去のカンチと比較すれば現代のカンチはよく効いています。)

ロードバイクで軽量化が進んできた影響から、
当然シクロクロスバイクも軽量化が進んだと思います。

XC、DHでは絶対的なディスクブレーキ。
オフロード競技であるシクロクロスでも求められつつあります。
DISC BRAKEのネガティブな面は、
重量の重さと油圧の初期セッティング。

他で十分に軽さを追求できたのであれば、
ディスク化による重量増も気にはならないでしょう。
シクロクロスは、オフロードを走るロードバイクです。
変速周りはロードバイクのものとほぼ変わりありません。

ディスクブレーキは油圧式だけでなく、機械式のものがあります。
現段階ではそれを利用するしかありません。

「ディスクブレーキは油圧じゃないと!!」
という人たちがどこかにいるのでしょう。

油圧式へのコンバーターを各社が出してきました。
HOPE 「V-TWIN

TRPに続いて有名なコンバーターだと思います。
ステムの短い日本人にはケーブルの取り回しが厳しく、
そして重量もずっしりとしていました。

オーナーさんから「油圧の良さがほとんど出ていない」ということから、
今回はオーバーホールと各パーツの交換です。
オーバーホール、パーツ交換完了。

Formulaのディスクローターとベータチタニウムのボルト。

ブレーキはFormulaのR1 Racingで統一。

ENVEのCXフォークがしなやかな乗り心地を演出しています。



LYNSKEYの「PRO CROSS」
ディスクブレーキタイプのチタンフレームです。

チタニウムフレームなので当然塗装はナシ。
軽さにも貢献しているでしょう。

コンポはSRAM RED 2013。に、デュラエース900のペダル。笑
特にオフロードを走るわけでもないのでロード用で良いそうな。

CHRSIKING、BB。


変速には軽量でやわらかい動きの「POWER CORDZ」。


パワーコーズは史上最軽量のインナケーブルでしょう。
これは金属ケーブルではなく、
ケブラー以上の強度を持った合成繊維だそうです。

重量も軽い、動きも軽い。 
お待ちかね、新しいコンバーターはこちらです!

ベースとなったのがこちらです。
FORMULAの「R1 RACING

そして324LABSさんがアタッチメントのキットを作ったようです。 
今回の作業で一番頭を悩ませたのはケーブルの取り回しでした。
カーボンハンドルにケーブルのガイドがついている・・・。
通すべきか否か、
通したらカーブが厳しくなるので動きが渋くなるかもしれない。

そんな不安を感じながらも、
妥協はしたくなかったので頑張ってみました。
取説通りのセッティングとしては、ステムの下部になっている。
しかし、ステムとケーブルが干渉するなんて・・・。

コンバーターをハンドル前面への移動も考えました。
ケーブルの取り回しも変わってしまうので全く美しくない。
いろんな位置を試し、干渉せず、なるべく下部で取り付けしました。

今度はシフトのケーブルがブレーキのインナーに干渉してしまうという事も。
ない頭を必死に動員して、干渉しないルーティングを確保。 
そして、純粋な油圧ブレーキと変わらないレベルのレバータッチが実現できました。
これにはオーナーさまも大変満足頂けたようでした。
よかったです(^^)

オーバーホールによって駆動まわりも滑らかになり、
特にハブの調整によって走りの軽さが格段に良くなりました。

遠方からのご依頼でしたが、頼って頂けたことを嬉しく思います。

* * *

また長くて誰が得するのかよくわからない内容になってしまいました。
今回のカスタム自体も、
"速くなる"とは全く関係のないカスタムだったりします。

意味を持たなかったり、方向性のないカスタムはあまり好きではないのですが
今回の内容は非常に面白かったです。

こんな世界もあるんですよ、ということでご紹介でした。

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