BRIDGESTONE "ANCHOR" vol.3 カーボンフレーム RL9

BRIDGESTONE ANCHOR紹介ブログ、Vol.3カーボン編です。
-バックナンバー-
Vol.1 クロモリフレーム
Vol.2 日本人サイズ


今回は2017年にモデルチェンジを果たした「RL9」を組み上げたのでご紹介したいと思います。
6月末に紹介したフレームの完成形で、アンカーのラインナップで"ロングライド"をターゲットにしたモデルの最上位機種。

RL9の詳しいコンセプトは公式サイトより。
カラーカスタム:メタリックシルバー (ハードマット)
220,000円+税

カーボンという素材には「形の自由度」、「比重の軽さ」、「強度や軽さの変幻自在さ」などなど優れた点がたくさんあって、それは自転車だけでなく航空機やF1といった地球上の最先端技術が惜しみなく使用される現場で採用されています。
ANCHORでも性能を求めたモデルはレース用でもロングライド用でもカーボンを採用しています。

カーボン黎明期にはどのメーカーもとても魅力的なバイクを多く作っていきました。
ルールの問題もあり、似たり寄ったりなルックスに集約した最近のカーボンフレームに飽きた方も多くいる現状をひしひしと感じています。
追い討ちをかけるように"中華カーボン"と呼ばれる模倣品も増えていて、カーボンフレームの価値を大幅に下げているかも知れません。
パッと遠めで見て50万円のフレームも10万円のフレームも同じように見えてしまう。成熟したサイクリストならばその差を理解できるかも知れませんが、多くの人はそこまで認識することが難しいでしょう。
全てのバイクに言えることで、「クロモリだから走りが悪いだろう」とか「カーボンだからレース用」とか、それは勝手な思い込みであることを認識するとまた違って見えてくるかも知れません。

見た目が一緒に見えてしまうカーボンフレームを選んでいくにはどういった所がポイントなのでしょうか?
それは「設計」、「金型」、「カーボンの質」、「品質管理」といった見えていない部分だと思います。

そこに値段の差が秘められていて、研究費用や設計費用、あるいはクオリティーコントロールに割かれる費用が差として生まれてきます。
可視化することが難しいところに全てが詰まっていると言っても過言ではありません。
格安な模造フレームはたくさんありますが、時間をかけて研究してきたフレームとは似て非なるものだということを理解する必要があり、それを見た目だけで判断することは難しいものだと思います。そこは信頼のおける知り合いやスタッフから助言を貰って選んでいくことが失敗しないための簡単な方法でしょう。

フレームの内側に秘められた製造に関わる人々の熱意。
ANCHORを知る程、ANCHORのバイクにはそういった部分がたくさん詰まっていることを感じさせてくれるフレームです。
前置きが長くなりましたが、ようやく今回の「RL9」を紹介していきたいと思います。笑

アンカーのフレームには本気レースに向けた"RS"シリーズと、ホビーサイクリストが扱いやすいロングライドをターゲットとした"RL"シリーズに分かれています。

ロングライド向けと言われるとあまりキビキビ走ってくれなそうという勝手な思い込みがよくありますが、ハッキリ言うとレースも走れる性能があります。
ANCHORに乗る多くの人はRLで十分だと思えるほどしっかり走ってくれます。
なのでRSシリーズは本当にレースを勝負することしか考えない戦闘マシンであることを理解して選ぶと良いでしょう。
どうしてもレースのイメージの強いアンカー。
良い意味でアンカーらしくないね、と言ってもらえるアンカーを組んでみたくて組み上げました。

コンポーネントはカンパニョーロのコーラスにしたのもその1つ。
「アンカー=シマノ」という固定観念は捨て、「カンパは細めの5アームが至高だよね」という固定観念も覆すような掛け合わせです。
確かにクロモリフレームに現行のカンパニョーロが似合うかと言うと正直惜しい気持ちは否めませんが、カーボンフレームとのマッチングは個人的にとてもアリだと思います。
時代が変わってもカンパはレーシングコンポーネントという事は忘れてはいけません。



やっぱり雰囲気は大事にしたかったので、コンポに合わせてパーツ類もヨーロッパ系にしたいなと。
レース性能もあって、落ち着いた雰囲気でコックピットはFi'zi:kに決定。
RL9のシートポストは27.2mm径なので快適性良し。
個人的な推しポイントはやはりフォークで、数少ないベンドフォークのフレームです。
最近のホイールは硬めで走行中の振動がキツい傾向だと感じています。
体幹の強いレーサーは手は添えるだけで走れますが、普通の人はどうしても手に体重を預けてしまうので振動がダメージとなって蓄積されていってしまうでしょう。
だからこそフレームで吸収してあげれるベンドフォークはオススメしたいですね。



という感じで、後半は写真メインとなりましたが長くなるので内容は大幅にカットしました。もっとあーだこーだと話を聞いてみたいと思った方、つづきはWebで、もとい「つづきは店頭で」。

このバイクはSTAFFホリの新しいニューウェポンであるとともに、試乗車として店頭に展示しています。
クロモリのオーダーをメインで扱っているので意外に感じる方もいるかもしれません。簡単に言うとカーボンでも僕の考えにマッチするフレームが出たなというのが本音です。

ハイエンドフレームを買ってもそれがその人にうまく合わず、しっかり楽しめてないなという方は多くいます。"最高のフレームが自分にとって最適とは限らない"というのがポイントで、見た目や中身、選ぶポイントは自由ですが「自分に合ったバイクを選ぶ」ということがとても大事だと考えています。

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今までのANCHOR紹介はコチラより。

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