チェーンの構造を知る

愛車のメンテナンスを怠らない意識の高いサイクリストの皆さんこんばんは。

自転車メンテナンスの基本は「チェーンの掃除」が一番の肝だと思います。
「トラブルを減らしたい」、「自転車を長持ちさせたい」という方は自分でできるようになるべき作業です。
無意識のうちから"チェーンに油を注す"という意識を持っている人は多いと感じます。

でも問題は意味のない部分に塗っていたりして、大事な部分はオイルが切れてしまっていることです。スプレーでブシューっと注油している方、実はちゃんと塗れていないかも知れませんよ。

どこにオイルアップしたらいいのか、一度チェーンを分解して解説してみます。
チェーンは「アウターリンク」と「インナーリンク」が連なってできています。
そのアウターとインナーはピンで留まっていて、ピンを抜くとこの通り。
とっっっっても大事なのはこの「インナーリンク」の部分。
ピンを全て抜けばインナーリンクも分解できます。すると中から「ローラー」が出てきます。

こちらがローラー。チェーンのローラーが常に回転することで漕ぎの滑らかさを担っていて、もしこれが回転していなかったらチェーンリングやスプロケットの磨耗は尋常じゃなく早いでしょう。
かなり大事なのがこの「ローラー」と「インナープレート(の軸)」が擦れる部分に潤滑剤が保持されているかということです。(グリーンの部分周辺)
「チェーンが伸びた」と言われている状態は、このローラーの内側が磨耗してしまっていることが多いのです。

ガッツリと洗浄したのは良いものの、この内部まで潤滑できていないとチェーン内部の摩擦が増えてしまいます。
摩擦が増えると磨耗が大きくなり、チェーンが薄くなっていき最終的には破損に繋がっていくそうです。

自転車を漕ぐ時、厚さ約1mmもないチェーンのプレートを引っ張りながら、変速で横にもよじれるわけです。その縦横の動きの中で潤滑性が無くなれば、トラブルが起こってしまうことが容易に想像ができますね。  
ではオイルを注すべき箇所をピックアップしてみましょう。

・アウタープレートとインナープレートの擦れる部分(ピンク)
・ローラーとインナープレートの擦れる部分(グリーン)
・ローラー表面(ブルー)

上記3点ですが、ポイントはローラーとインナープレートの隙間からオイルを染み込ませるようなイメージです。

"表面的な部分だけにオイルが付いていてもダメ"ということでした。
一番最悪の状況は洗浄時、チェーン内部に溶剤(ディグリーザー)が残ってしまった状態です。ローラー内に封入されていた潤滑剤を溶かしてしまい、なおかつ新しい潤滑材も入っていかない状態です。

スピードを求める状況では溶剤を使用しますが、丁寧に作業できるのであればとにかく布で汚れを拭き取るという方法が最もトラブルが少なく済みそうです。
チェーン洗浄の方法はたくさんあるので、自分に合った方法を見つけていきましょう。 

綺麗にした後にオイルはどんなものを使うか紹介しておきます。
WAKO'S チェーンルブ リキッド
POWER、SPEED、EXTREME

(実は売っているお店が限られている)ワコーズのチェーンルブリキッドシリーズです。
これは一滴ずつ注していくレース向けのハイスペックなチェーンオイル。
高い極圧性能が特徴で、潤滑性能に特化したチェーン用オイルです。

チェーンのオイルアップはローラーにひとつずつ注していくのが大事なのでこのタイプはとても良いと感じます。 
WAKO'S チェーンルブ

もうちょっと大雑把に作業したいという方にはこちらのタイプがオススメです。
スプレータイプなので作業スピードが速いということと、
浸透性を持っているので少し雑になっても中まで入っていってくれやすいオイルです。
水置換性もあるので、雨のあとに吹いて貰えたら内面/外面の錆び防止にも役立ちます。

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どんなオイルも内部までしっかり浸透できたら、外部の余分なオイルは拭き取ってもらって大丈夫です。拭き取った方が汚れの付着や飛び散りを抑えることができます。

更に詳しい話が聞きたいという方は是非店頭にて。
冬の空いた時間、愛車のメンテナンスにトライしてみてはいかがでしょうか。

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